バーセルの郷土菓子「バーゼラー・レッカリー」と言えば<レッカリー・フース>。
スイス・バーゼルにある<レッカリー・フース>は「バーゼラー・レッカリー」を製造するスイスで最も有名な菓子ブランドです。
1904年にアメリカに渡ろうとしていた初代社長アンドレー・クライン氏が、バーゼルに15世紀頃からあったと言われる伝統菓子「バーゼラー・レッカリー」というスパイスビスケットと出会い魅了されバーゼルに留まり、「バーゼラー・レッカリー」を世界で初めて工業生産しました。
これが、レッカリー・フースの始まりです。
スイスでは、85%の人が「バーセラー・レッカリー」を認知しており、71%の人が、「バーゼラー・レッカリー」はレッカリーフースが発祥と認知されています。
バーゼルの駅に着くと、駅の中だけでも数件、町中に行けばパン屋、ケーキ屋、スーパーマーケット、百貨店、どこでもそれぞれのレシピで作ったバーゼラー・レッカリーが売られていますが、レッカリー・フースのレッカリーは品質にこだわっているので価格は高い方で、物によっては倍ぐらい高くなったりしていますが、それでも人気は不動です。
私もいくつか買って食べ比べてみましたが、膨らみのない均一にフラットな高さを保つ形状、個性的なねっしりとした食感、ドライフルーツやナッツのバランス、スパイスとバーゼラーキルシュの強い香り、これ以上のバーぜラー・レッカリーは誰にも作れない!と思うほど完璧。
社名である<レッカリー・フース>はスイスドイツ語(フースはスイスの独特な言葉)で「レッカリーの家」という意味です。
バーゼルの地元民が認める本物の味を作り続けています。
スパイスビスケット「バーゼラー・レッカリー」
スクエアーにカットされ薄くアイシングをかけた物で、ドイツのスパイスビスケット「レープクーヘン」にも少し似ていますが、卵を使わずたっぷりのはちみつをつないで作るので、食感はしっとりねっしりした感じ…日本のお菓子にはない特徴的な食感です。
レモンとオレンジの柑橘の酸味と皮の苦み、ヘーゼルナッツ、アーモンドのコクと香ばしさがスパイスとバーゼルのキルシュによって調和された大人の贅沢な味わい。
食感も香りも、食べ続けるほどにクセになります。
コーヒー紅茶以外でも、ラム酒やシャンパンなどの お酒類にもよく合います。
バーゼルでは子供 から大人まで昼夜問わず食べられていて、通常のおやつには もちろん、パーティでシャンパンと一緒にふるまわれたりするどんなシーンにも登場するとても地元に愛された、700年の歴史を持つ郷土菓子です。
スイスの練乳結晶キャラメル「キャラメルトⓇ」
レッカリー・フースはまた、素晴らしい技法で作るキャラメル「キャラメルトⓇ」も製造しています。
100年前からずっと続けている伝統製法で、この製法を用いているのは、世界でもこのレッカリー・フースのキャラメル工場だけです。
練乳を結晶化させたキャラメルは、口の中で噛むと結晶がバラバラになる壊れて行くので、最初にサクっと噛めてその後はホロホロと溶けて行く不思議な食感。
始めて口にした人はみんなその新食感に驚きます。
サクサクと噛んで食べられて歯にくっつかないので、子供からお年寄りまで世代を選ばず好まれるキャラメルです。
そして、この結晶キャラメルは熱に強く真夏でも溶けないので、持ち歩きにも重宝する嬉しい特徴もあります。
スイスでは圧倒的にバーゼラー・レッカリーが有名で人気ですが、日本ではキャラメルトⓇの方が断然人気。
濃厚な練乳の味がサクサクほろほろ溶けて行き、最後はスーっとした口どけなのでべたついた余韻を残しません。
なのでついつい一つ、また一つと止まらなくなります。
キャラメルトⓇの秘密の製法
その不思議な口どけを作りだすのは、スイスの秘密の伝統製法。
窯でキャラメルをまず作ります。バターは使いません。
生地を伸ばしてキャラメルのサイズにカットします。
この時点ではグミを固くしたような感じで、味は確かにキャラメルだけど普通のキャラメルより固いです。
そしてねばりっぽい物もある。
最大の秘密はココです!
これは何でしょう??
棚みたいに見えますね。
カットを終えたキャラメルは木の板に並べられて棚に差し込まれて行きます。
そう、棚に並べられたキャラメルなんです。
この後、なんと3週間から4週間湿度のある温度の高い部屋で熟成をさせるのです。
キャラメルは中で一度ドロドロに溶けて、そして中心に向かって結晶化して行くのだそうです。
写真のように、完全結晶前は中がフォンダンになります。
これはこれでとてもおいしいです!これも日本で売りたかったです!!
(でも時間が経つと完全結晶になってしまうので、この状態を保って販売するのは難しいので商品化はできないそう…)
結晶化の進み方は季節によっても微妙に変わるので、職人が状態をチェックしながら完成させるのだそうです。
機械は使っていても工程ごとに人の手が入り、熟成に3週間以上も掛けるこだわりの希少なキャラメルなのです。
店舗情報
◆シャルマン・グルマン
東京都港区南青山5丁目10−19 青山真洋ビル